できない自分でいることは大切

できない自分でいることは大切

できないことは、今の自分に気付くチャンス?

 

先日あるクライエントさんが感想を述べられました。

「こんなに簡単なポーズもできないんだなということがわかりました。」

また別の日に、セッションが終わった時に、他のクライエントさんもこんなことをおっしゃいました。

「脳の働きと体の動きが合ってないことがわかりました。」

 

ヨガの練習では、できないと言う事に気づくことがまず大切です。

頭のイメージと実際のからだの動き、その間のギャップをしっかり見つめ、それに、気づくこと。

 

また、カウンセリングの過程としても、「できない自分でいること」は、非常に大切な気づきです。

自分をごまかしたりせず、卑下したりせず、できない自分をありのままに見つめること。

 

できない自分を認めることは、とても勇気のいることです。

とても辛いことです。

日常生活では、そのことで誰かに責められるかもしれませんし、自分で自分のことがほとほと嫌になるかもしれません。

ですので、普段私たちは、できない自分からつい、目を背けてしまいがちです。

そのため私たちのマインドはいろいろなイメージを作り上げます。

例えば、実際はできないのに、できていると妄想のように思い込んだりします。

できない自分を、他の人を低く評価することで、逆に優越感を持とうとしたりします。

 

そうではなく、ただただ、できない自分で、居続けること。それが自分が自分であることを実感する経験につながります。

ヨガでは、ポーズができなくても、呼吸をしながらただ今ある自分を感じていくこと。

そうすると自分が今ここにいると言う確かな感覚を得られます。

 (ここでのセッションでは、ポーズができないからといって、批判されることはありません。なぜなら、本来、完璧な人がいないように、完璧なポーズはないからです。)


 

カウンセリングの過程でも、カウンセラーとして、できることは本当に限られています。

クライエントさんに代わって何か行動することはできませんし、ほとんど何もできないこともあります。

私はただ「できない自分」のまま、クライエントさんと一緒に、そこに居続けて、お話を伺い関わっていくだけです。

そうすると、何も起こらないような、でも、何かが起きているような、不思議な時間が過ぎていきます。

それを繰り返していくと、クライエントさんのなかで、もちろん私の中でも、新しい変化が生まれてきます。

 

ヨガやカウンセリングの過程に限らず、日常の生活でも同じことです。

些細なことでも、できているつもり、わかっているつもり、でも実際はどうなのか?

 

それを見ていくことが今現実の自分を生きていくと言うことです。

 

そして「実際できていない何か」に気付くことができれば、からだの動き、つまり行動を変えていくことはできます。

どんなに小さな行動であっても、確実な第一歩になります。

今すぐ行動できなくても、それでもやろうとしている自分、できないけれどもいつかやりたいと思う自分に出会えるかもしれません。

「できないこと」は、どんなことでも、現実の、今ある自分を知る手がかりになるのではないでしょうか。

 

 

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