新型コロナウィルスが猛威をふるっています。
このような不安定な状況にいると、ほんのわずかな刺激が大きなストレスになって、心身のバランスを崩しやすくなります。
気晴らしをしたくても、外に出るのも、どこか不安・・・
こんな状況の時でも、いえ、だからこそ、自分で自分を整えることができたらいいな、と思いませんか?
コロナ対策としても、とっても有効です。
深呼吸のあなどれない効果
教科書的に言うと、深呼吸をすると、自律神経が整うのです。
- 疲れにくくなる
- 免疫力アップ
- 内臓の働きが良くなる
- むくみ、冷え性が改善する
- 肩こり、腰痛、頭痛などが和らぐ
・・・and more
それだけではなく、精神状態も落ち着くのです。
なので、
- 不安な気持ちがやわらぐ
- イライラしなくなる
- 感情の起伏が穏やかになる
- 気力が出てくる
- 集中力が増す
深呼吸というと、あまりにも簡単でありふれているように感じると思います。
でも、実際のところ、ちゃんとした深呼吸ができる人は、本当に限られているんです。
わたしのクライアントさん達を拝見していても、頭で分っていても、やってみると意外とできていない、という方がほとんどです。
それでは残念ながら、深呼吸の本当の効果を感じることはできません。
そこで今回は、以下の内容についてお伝えします。
- 深呼吸って本当に効くの?
- すぐにできる!やさしい深呼吸のやり方
- 深呼吸とメンタル面とのつながり
これをお読みになると、深呼吸をバカにできなくなりますよ(笑)
ちなみに、深呼吸の効果は、心理学の論文でもちゃんと証明されています。
深呼吸すると、こころとからだが健康になる
わたし達人間には、生きていくために必要な、ある機能が備わっています。
その機能のおかげで、気温や気圧は日々変化しても、そうした外界の環境に関係なく、わたし達は、自分の身体の体温や血圧を一定に保つことができます。
しかも、自分で意識しなくても、身体の方で、勝手にちゃんとやってくれています。
それが、「ホメオスタシス(生体の恒常性)」と呼ばれる機能です。
このホメオスタシスを維持するために、働いているのが「自律神経」なのです。
自律神経には、次の2種類があります。
日中、活動している時や緊張している時に活発に働いています。
夜、寝ている時やリラックスしている時に働いています。内臓の機能を高めます。
普通、心臓・肺・腸などは、自分の意思とは関係なく動いていますが、この臓器の働きを調整しているのが、主に自律神経なのです。
自律神経がバランスよく働くことで、全身の呼吸・血行・体温・消化・免疫機能などが正常に保たれているのです。
なので、自律神経の働きが乱れてしまうと、身体や心にいろいろな不調が生まれてくるのです。
現代の生活では、夜遅くまで仕事や家事をしたり、エアコンで外気との温度差が激しい環境が常にあるので、ただでさえ、自律神経の働きが乱れやすくなっています。
それに、現在のような不安定な状況では、わずかの刺激でもストレスになって、いっそう自律神経の働きが悪くなってしまいます。
特に、自律神経のなかで、副交感神経の働きが衰えやすいと言われています。
つまり、交感神経がいつも優位の状態になっている。
ということは、血管が収縮しやすくなったり、内臓の働きが抑えられたり、筋肉が緊張しやすくなっているということ。
さらに、脳・神経系は覚醒の状態にあるので、不眠になったり、興奮しやすくなったりします。
自律神経の働きは、身体の機能として、無意識で行われるものなので、自分ではほとんどコントロールすることができません。
それでは打つ手がない…ようですが。
そんなことはありません。
自分ではコントロールできない自律神経の働きの中で、呼吸だけは、自分の力でコントロールできるのです。
唯一、呼吸は、自分で意識して変えることができます。
深く吸ったり、早く吸ったり、少し止めてみたり、とか。
なので、呼吸をコントロールすることで、自律神経の働きを、自分の意思で調整することができるのです。
副交感神経の働きが衰えやすいとお伝えしましたが、たいてい、日常生活では、ストレスを感じて、交感神経の働きが必要以上に優位になってしまっていることが多いもの。
そんな時に、呼吸を深くすると、副交感神経の働きを高めて、自律神経の働きを整えることができます。
なので、本当は、呼吸ひとつで、いつでも、どこでも、自分の意思で、自律神経のバランスを整えることができて、こころもからだも健やかでいられるのです!
さらに、副交感神経のメカニズムとして、
深い呼吸をする
副交感神経の働きが優位になる リラックス効果が得られる 疲労回復効果や自己免疫力アップ効果が得られる良いことばっかり!
分かりやすい深呼吸の方法
ここからは、実際に深呼吸のやり方をお伝えしていきます。
「そんなの簡単でしょ?」と思ったあなた。
たいてい頭では分かっているけど、実際やってみると、なんか息苦しくなる。
やり方がよく分からない。
私、ちゃんとできている?
という方は意外に多くいらっしゃいます。
深呼吸のコツ
緊張すると、ドキドキしたり、息苦しくなったり、過呼吸気味になる。
そんなお悩みのあるあなたも、ぜひお試しください。
頭で深く考えないで、とにかく息を吐くこと!
息は、吐くことができれば、自然に吸うことができます。
なので、頭で深く考えないで、苦しくならない程度に、出来るだけ深く息を吐いてみてください。
最初は息を吸うことは考えなくていいので、ただ息を吐くことに集中します。
息は、深く吐けば吐くほど、深く吸えます。
- STEP01まず、吐く少しゆっくりと吐いてみてください。最初からギリギリまで息を吐き切ろうとしないで、「普段より少し長めに吐く」くらい。
- STEP02自然に吸う次の瞬間、吸う息が自然に、あなたのなかに入ってきます。その入ってきた空気を味わいます。
- STEP03次の息を吐く入ってきた息を、最初の息より、少しだけ長めに吐いてみます。
- STEP04また自然に吸う2回目にまた入ってきた息を、少し丁寧に味わってみます。
その繰り返しです。
これだけで、呼吸は確実に深まります!
初めのうちは、とりあえず、5回くらい、吸って吐いて、普段より深めにできたらOKです。
途中で苦しくなったら、いつでもやめて、普通の呼吸に戻します。
原則、呼吸をする時は、鼻呼吸です。
鼻から吐いて、鼻から吐くことをお勧めします。
空気中のウィルスが直接肺に入ってくるのをを防ぐためです。
ただ、慣れないうちは、吐く時だけは口から吐いても大丈夫。
ちょうど、ため息をつくような感じで吐くと楽です。
ただし、吸う時は必ず鼻から吸ってください。
少しずつ、呼吸を深めてみると・・・
吐く息をメインにした呼吸に少し慣れてきたら、より呼吸を深める練習をしてみましょう。
お腹⇔胸⇔鎖骨の周りへ。
あなたの呼吸のペースに合わせて、順番に意識しながら「吐く・吸う」を繰り返すと、より繊細に自分の呼吸を感じることができます。
できれば目を閉じて、手のひらをお腹や胸に当てた状態でやってみてください。
そうすると、呼吸によって動くお腹や胸、つまりあなたの身体を手のひらで感じることができて、呼吸がいっそう深まります。

と同時に、あなた自身の内側の感覚を味わっていくことにつながります。
実はこれ、「マインドフルネス」状態の始まりでもあるんです。
詳しくは続きをお読みください。
深呼吸がメンタルケアに効く理由
呼吸と心の状態はリンクしています。
この記事の最初で、深呼吸をすると副交感神経の働きが高まり、リラックスするということをお伝えしました。
でも、深呼吸すると、心理的に良い効果があるのは、単に副交感神経の働きが高まるから、という理由だけではありません。
もっと深い理由があるのです。
自分の呼吸に意識を向けるということは、自分の内面に意識を向けるということ。
あなたの意識を、外側の刺激ではなく、自分の今の状態を観察していくことに向けること。
自分のなかに生まれてくる、あなただけの感覚を味わうこと。
実は、こういう行動そのものにリラックス効果があります。
「自分と向き合う」というのは、こんなふうに、自分の感覚を確かめていくことも含まれています。
さらに、自分の呼吸に意識を向けると、あなたの本来のニュートラルな状態に戻りやすくなります。
例えば、怒ったり、イラっとしたりする時。
その時、一息、意識して深く呼吸をしてみてください。スッと、衝動的な気分が鎮まってくるのが、実感できると思います。
ほんの一呼吸ですが、たったそれだけで、いつもの落ち着いた自分に戻りやすくなります。
「息を吐き切る」というのは、実は恐怖体験
深呼吸は良いのはよく分かった。
でも、やってみたけど、「なんかうまくできない~」というあなた。
あなたのやり方が悪いのではありません。
わたし達人間にとっては、「息を吐き切る」ということが結構難しいものなのです。
息を吐くというのは、自分のからだから、エネルギーを手放すこと。
人が亡くなる時、「息を引き取る」といいますよね。
人は、息を吐いた後、吸うことが出来なくなると、亡くなるのです。
なので、
「息を吐き切ってしまったら、次に息を吸えるかどうか、分からない」
という恐怖を、無意識のうちに、わたし達は感じているのです。
「息を吐く」ということは、「死ぬかも」という恐れを感じる行為でもあるのです。
だから特に心身が不安定な時ほど、息を深くゆったり吐くことが難しくなるのです。
本当は、不安定な時にこそ、深い呼吸が必要なんですが。
そもそも息を吐くのは、気分的に難しいことなんだ、と知っておいてください。
そのうえで、少しずつ続けていくうちに、気持ち良くできるようになります。
本来あなたは、もっともっと深い呼吸ができる
いかがでしょうか。
深呼吸の効果や、気軽に始められる練習の仕方をご紹介しました。
普段の呼吸では、わたし達はみんな、肺全体のほんの一部しか使っていません。
そういう浅い呼吸が当たり前になって暮らしていると言えます。
本来、わたし達の肺には、もっともっと深い呼吸をする能力が、生まれつき備わっているののに、です。
話が脱線するようですが、「火事場のバカ力」ということわざがありますよね。
人間には、普段は眠っている計り知れない能力があるということ、です。
わたし達の肺の能力も、それと同じなんです。
普段、浅い呼吸をしていて、それが当たり前になっていて、
さらに、ほとんど意識していないので、
もっと深く呼吸ができるということに、気付かなくなっているだけなんです。
ですので、あなたの肺、本来の力を信じて練習していくと、驚くほど深く呼吸できるようになりますよ!
そうなると、今、あなたを悩ませている諸々の不調も和らいでくるはずです。
ぜひ、試してみてくださいね。
あなたはご存知でしょうか?
不安、うつ、トラウマ、過緊張など、こころの症状を、、身体を整えながら、身体の側から改善していくことができるということを。
「心の問題には対話によるカウンセリング」というのが一般的な常識ですし、
わたし自身、臨床心理士として、カウンセリングの効果も確かにあると認めています。
けれども、カウンセリングでは、うまく話すことができないと、なかなか先に進めない、ということも事実です。
いくら相手がカウンセラーだったとしても、そんなにすぐに打ち解けて、自分のありのままを話すことなんて難しいですよね。
信頼できるかどうかも分からないし、不安ですよね?
カウンセラーと信頼できる関係を築くまでには、本当に長い時間がかかります。
そのため、カウンセリングで変化を感じる前に、続けられなくなってしまう場合が多いのです。
「カウンセリングがうまくいかない」と困っている方がきっとたくさんいらっしゃるはず。本当はそういう方こそ、心のケアが必要なのに。
そこで、「無理に誰かに話さなくても、心の問題を解決していける方法があればいいな」と、わたしはずっと探していました。
そこで、たどり着いたのが、身体を整え、身体の感覚に向き合うことで、心を整え、心の問題を解決していこうとする方法でのカウンセリングだったのです。
これから自分らしく生きるために、こころ、からだをケアしたい。
でも、カウンセリングでは難しい。
そんなあなたにこそ、かぜのねのカウンセリングをお勧めします。
ぜひ、一度試してみてくださいませんか。