わたしのお客様には、セラピーを受けに来る直接の理由ではないけれど、生理不順や生理痛など、生理にまつわる悩みをお持ちの方が多いです。
ヨガのレッスンの始めに体調のことをお伺いすると、やはり生理中は疲れやすくなる、だるい、精神的に落ち込む、などなど、何らかの症状をお話されることが普通です。
生理周期は順調で、そこまでのひどい痛みは無いけれど、生理中はとにかく眠い。
身体が重い。やる気が出ない。ぼーっとして仕事にならない。
という状態は、ほぼ全員と言いていいほどの方が経験されているようです。
生理期間中より、生理前が辛い。
気分が不安定になったり、イライラして周りに八つ当たりしてしまって余計自分でも嫌になる。
という方も珍しくありません。
頭が回らなくて、いつもより仕事に集中できなかったり。
生理というものは、順調であっても、なんだか厄介でうっとおしいものですよね。
そうかといって、生理が遅れたりすると、それはそれで心配になりますし。
わたし達は女性のからだを持っているがゆえに、避けられないことではありますが、ご自分の工夫次第で、生理の悩みを軽くしていくことはできます。
生理が辛いあなたも、そうでないあなたにも、より自分らしく健やかに生きていくために、生理のときに、絶対に気を付けていただきたいことをお伝えします。
月経期間中は、とにかく休むことが最優先
生理が辛い時、あなたはどうしてますか?
- とりあえず薬を飲んでおけばいい?
- 何もできないし、とりあえず終わるのをひたすら待つ?
- ただ寝ている?
- 面倒くさいし、もうすぐ更年期だし、どうでもいい?
そんなふうに軽く考えているあなたに。
声を大にして言います。
それだけは絶対にダメです。
なぜかというと、健康な月経が、健康な更年期、そして健康なシニア期につながるからです。
生理の問題は、命に関わるほどではないから、つい後回しにしてしまうもの。
けれども、生理と丁寧に向き合うことは、女性としての自分の身体に向き合うこと。
自分らしく生きることの大切な一部分です。
生理中は、休むこと!
実は、とにかく休むことが第一!
状況が許す限り、そうしてください。
もし、状況が許さないのなら、なるべく休める状況を作るようにしてください!
それくらい、大切なことなんです。
具体的に気を付けてほしいこと3つ。
休むといっても、どういうふうにすれば良いか、順番にお伝えしていきます。
生理開始後3日間は、特に次の3つのことに気をつけてください。
- 頭を使うこと
- 目を酷使すること
- 激しい運動をすること
では、ひとつずつ、詳しくお伝えしていきますね。
①頭を休ませましょう
仕事上の込み入ったメールのやり取り、細かい計算作業、ミスできない緊張する作業など、面倒な仕事、注意力がいる厄介な作業、細かいパソコン作業は控えめに。
仕事の量が調整できるなら、思い切って生理中は仕事を減らすことをお勧めします。
初めての場所に行ったり、初対面の人に会うなど、何か初めてのことをすると心身ともに負担がかかる場合があるので、この時期は外しておいた方が無難です。
② 目を休ませましょう
①とも関連しますが、目を酷使すると、頭が疲れます。
というのは、視覚から入る情報は全て脳で処理されるためです。
なので、目を休ませることが、頭を休ませることにつながります。
生理中はスマホ画面やパソコン画面、テレビをずっと見続けることや、長時間読書することは、止めておいた方がよいです。
③運動も控えめに
生理中の身体は熱を持ち、体力が低下します。
実は、風邪を引いた時と同じくらい、生理中は体力レベルが下がるのです。
風邪の時は、普通、激しい運動はしませんよね。
ただ、全く身体を動かさないより、少し身体を動かした方が気分が良くなるのであれば、軽い散歩とか、ゆっくりしたヨガはお勧めです。
それでも、お腹周りが緊張すると痛みがひどくなりますから、腹筋を使うことは避けます。
また、長時間歩いたり、ジョギングしたりして、足を酷使するものダメです。
足が疲れると、下腹部やお腹周りが緊張しやすくなるので、生理が重くなることがあります。
まずはこの3つを、出来るところから実践してみてください。
今回の生理期間の過ごし方は次の生理に影響します!
月経がすごく重かったり、逆に軽かったり、その時々によって変化するという場合もよくあると思います。
「ああ、今回なんか生理重い」というとき、前回の生理中どういうふうに過ごしたか?
思い出してみてください。
仕事忙しくなかったですか?
急用ができて対応しなくてはいけなかったとか?
つい夜更かしてネット見てたりしませんでしたか?
実は、今回の生理中の過ごし方によって、次の生理期間のクオリティーが決まってくるんです。
なので、今回しっかり休むことができれば、次の生理はずっと楽になります。
今回あまり休めなかったのであれば、次はちょっとしんどい生理期間になってしまうかも。
今回の生理が辛い場合、前回の生理期間の過ごし方をぜひ振り返ってみてください。
きっと、何か思い当たること、そして、今後の改善方法が見つかるはずです。
また、このことを知っておけば、次回の生理期間の予測が立てられます。
今回、仕事の調整がつかなくて、忙しかったのであれば、次回はきっと大変かも・・・
となれば、あらかじめ、休まなくてはいけないことを想定して、元気な時に計画を立てておくことができます。
たかが生理くらいで休むなんて、甘えてる?
「そうは言っても休めないんだから…」
「生理で休むなんて、甘えてるとか思われるから、言い出せないし」
嘆きたくなる気持ちも分かります。
生理は、男性にはそもそも、その辛さは分かってもらえませんよね。生理の体験がないんですから。
女性同士でも、個人差が激しくて、生理中でも普段とほとんど変わらず過ごせる人もいますから、なかなか分かってもらえないこともありますよね。
「生理のために休むこと」を単なるワガママ、甘えだと思われちゃうかも?
そんな心配もあるかもしれません。
女性としてのあなたの身体が休みを必要としている時期
先ほどもお伝えしたように、生理中は、風邪を引いた時と同じくらいの体力レベルになります。
風邪で体調が悪い時でも、普通に仕事しますか?
どうしても避けられないことはあるかもしれませんが、たいていの場合、風邪を引いたら休みますよね。
生理中も同じなんです。
生理中は、女性としてのあなたの身体が、休みを必要としている時期です。
風邪の時と同じように考えて、自分の身体をケアするように、お勧めします。
実は、法律上も生理期間は休むことが認められています
労働基準法では、働くあなたの権利として、今でも生理休暇を取ることがちゃんと認められているんです。
あまり知られていないことかと思われますが。
1986年に男女雇用機会均等法が施行される前は、職場で生理休暇を取ることは、それほど珍しくありませんでした。
わたしの母も度々取得していたと言っていました。
ところが今ではほぼ皆無。
平成26年度には、取得率0.9%まで下がったそうです。
労働基準法で定められた生理休暇を取得する女性従業員の割合が、0・9%にまで低下していたことが25日、厚生労働省の調べで分かった。ピーク時の26・2%(昭和40年)から大きく減少。男性と同様に働く女性が増加する一方、妊娠・出産に向けた母性の保護の後退が改めて浮き彫りになった。
「生理休暇取得1%割れ 男女雇用機会均等法も影響」
産経ニュース 2017年5月26日付
わたしは会社員時代、ずっと人事系の仕事をしていたのですが、生理休暇を取った人にお目にかかったことは一度もありませんでした。
なんだか忘れ去られた制度みたいですね…
でも、実際の職場では、重い生理痛を抱えながら仕事をしている同僚は相当いたな、という印象です。
休憩室で横になっていたり、お腹や腰をさすりながら机に向かっていたり。
生理で休むのは気が引ける・・・
そう思って我慢してしまいがちですが、思い切って、生理休暇を申請することもできるんだ、ということを頭の片隅に入れておいてください。
生理で辛いのに、無理をして働くのは、あまり効率の良いことでもありませんよね。
生理は恥ずかしいことですか?
「生理くらいで休みたくない」という気持ちの奥には、
「恥ずかしい」
「生理であることを知られたくない」
って思いがどこかにありませんか?
月経があるのは、女性であれば当然のこと。
次の命を育むという大切な役割にもつながること。
あなたのせいではありません。
それなのに、なぜか、生理は、邪魔者扱いされていますよね。
月経のある自分を嫌になったり。
生理中なのを隠そうとしたり。
いわゆる「マインドコントロール」ではないけれど、社会的な風潮が影響しているのではないか、と、わたしは密かに思っています。
例えば、生理用品のCMなんかを見ると、
「生理中でも、いつも通り、元気に過ごすのが良い!」みたいな雰囲気が溢れています。
にっこり笑って飛んだり跳ねたり、元気いっぱい!みたいなイメージ。

先ほどからずっとお伝えしていることですが、生理中は休むのが鉄則です。
本当に女性のためを思うならば、
「生理中はゆっくり休んでね。休んでも良いんだよ」
というメッセージを伝えるべきだと思うのですが。
ツッコミ入れたくなります。
女性としてのあなたの身体を守ってください
女性と男性では、身体の構造が、生まれつきの生殖機能からして違います。
毎月、女性特有の体内のホルモンの作用によって、女性の身体は変化します。
女性の身体を持っていれば、それは自然なこと。
食べては排泄するといった、全ての人間に共通する身体のシステムの一部です。
個人差はありますが、男性とは違う身体を持つ女性が、月経のない男性のように、いつもいつも同じように仕事したり、運動したりするのは、女性の身体に大変な負担を強いることになります。
強く生きることは、女性であることを否定することではない
そもそも論になってしまうかもしれませんが、すべからく「男性と同じようにやるのがよい」のでしょうか?
男女平等の世の中、といえば確かにそうですが。
でも、もともと身体の仕組みが男女で異なっているのに、全く同じものとして考えるなんて、それこそ多様性社会に逆行しているのでは?とわたしは思います。
わたし達は学校現場でも、生理を含めた女性特有のからだを大切にすることを、教えられていません。
それは女性として生きていくうえで、とても大切なことなのに。
女性として強く生きるということは、女性であることを否定することではありません。
女性としての自分の身体と向き合うことだって、自分を生きることの一部です。
もちろん、男性と同じように、いつもいつも同じ調子で仕事に趣味に活動することも可能です。
けれども、自分に与えられた女性の身体を尊重して、この世界で女性であることに、自分として向き合いながら、生き方を探っていくこと。
それが自分らしく生きるということではないのかな、とわたしは思います。
次の生理中は、スマホをやめてみてください
生理が辛いのは、そこに何か、向き合っていかなくてはいけないことがある、ということでもあると思います。
生理に大きな問題を抱えているのは、女性としてのあなたの身体に合わない生活をしているのでは?という、身体からのサインかもしれません。
社会の風潮、周囲の環境、他の人にどう思われるか?
それよりも、「辛い、痛い、休みたい」とあなたの身体が訴えているのではないでしょうか。
あなた以外に、誰がそのあなたの身体の声を聴いてあげられますか?
最初にお伝えしたように、
からだは、心と違って、とにかく正直です。
調子の良い時も悪い時もあるけれど、ちゃんと向き合ってケアしてあげると、必ず応えてくれます。
多少時間がかかる場合もありますが、確実に楽になれるんです。
ぜひ、今度の生理が来たら、スマホを少しやめてみる。
そういう、できることから、まずはやってみてください。
どんなに小さなことでも、やってみると必ず変化があります。
この記事があなたのお役に立てると嬉しいです。
あなたはご存知でしょうか?
本来のヨガには、身体と心の不調を癒していく効果があります。
欧米では、そんなヨガが医学的治療の一部として、疾患の予防、ストレスケア、メンタルヘルスの向上、リハビリなどにも役立てられています。
一般的に知られていないことですが、ポーズが出来ても、出来なくても、ヨガの効果とは全く関係ありません。
なぜなら、ご自の内面に集中して、意識してからだを動かすこと自体に、あなたを癒し、変えていく力があるのです。
身体を整えることで、脳や心がリラックスし、結果として心身のバランスを取戻していくことができます。
「ヨガをやってみたいと思っていたけど、まさか自分がヨガなんて?」と、
一般的なヨガ教室を敬遠されていたあなたにこそ、一度お勧めしたいのです。
完全マンツーマンレッスン。
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