最近、「コロナ太り」という言葉をよく聞きます。
女性にとって、ダイエットとは、やっぱり気になるテーマですよね。
心理臨床の世界でも、摂食障害とまでいかなくても、ダイエットは無視できない領域なんです。
なぜなら、ダイエットは「理想の自分」「なりたい自分」になるために「今の自分を変えたい」という行為でもあるからです。
ダイエットがキッカケになって、改めて食事や運動を見直したり、さらには自分自身と向き合うことにもつながっていきます。
ところで、「人間は食べた物で出来ている」という考え方がありますね。
そこで、ダイエットのため、場合によっては病気を治すために、さまざまな食事療法やサプリメントが存在しているのですよね。
たしかに、人間の「身体」は物質です。
だから身長・体重・体脂肪率などが測定できるんですよね。
しかしわたしは、身体とはいっても、タンパク質・糖質・脂質などなどの単なる結合組織ではないと確信しています。
というのも、人間には「こころ」があり、
そして、その「こころ」は常に身体と一体となって存在しているからです。
心と身体が別々に存在することは、普通、生きている限りありえないことです。
「病は気から」という言葉があるように、「こころ」のせいで身体の病気になる場合もあるということ。
実際に「こころ」の働きは、免疫系、自律神経系など身体の機能全てに影響しています。
ですので、身体の状態は、「こころ」の状態によって作り出されている面があるんです。
これを逆手に取ると、「こころ」を整えることによって、身体を変えていくことができるということです。
この記事では、わたしの実体験に基づいて、ダイエットをテーマに、心の変化が身体を変えていくということをご紹介したいと思います。
いろいろなダイエット方法を実践したのに、なぜか結果が出ない、というあなた。
そして、自分らしく健康になるためのダイエット法を探しているというあなたのお役に立てると嬉しいです。
まずは、わたしの体験談から。
とある夏の日の1週間の体験から
今から約9年前、大学院1年生の夏休みのことでした。
(余談ですが、当時37歳のわたしはすでに社会人を経験していました)
ある教授からの勧めもあり、臨床心理士になるためのトレーニングのため、「内観療法」という心理療法を受けることにしました。
他にも、急に父を亡くして間がない頃で、改めて父の死という事態と向き合いたい気持ちもあったので。
この内観療法とは、簡単に言いますと、
専用の研修施設のなかにある小部屋に1週間閉じこもって、面接者以外の人と会うことなく、ひたすら自分の生い立ちと、自分と親兄弟など身近な人との関係について思い起こす、というもの。
吉本伊信という方が、「身調べ」という浄土真宗の修行法をもとに開発した、自己洞察法としてのセラピーなんです。

1週間の期間中は毎日、朝6時に起きてから夜9時に寝るまで、お風呂とトイレに行く以外は、ただひたすら小部屋に座っている、ということです。
ほとんどからだを動かす時間はありません。
朝起きた時に、ざっと部屋に掃除機をかけるだけ。
食事は普通に1日3食いただけます。
(研修所長の奥様の手作りの、美味しい家庭料理がちゃんと用意されます。)
参考までにメニューは
朝:ご飯とお味噌汁、サラダなど野菜のおかず、卵やお豆腐、納豆など。
昼:サンドイッチ、冷やし中華、天ぷらうどんなど、パンや麺類が中心。
メロンゼリーやカントリーマアムのおやつ付き。(おやつが嬉しかったです…)
夕:ハンバーグ、カレーライス、お魚の煮付などに副菜もいろいろ。
全体に割としっかりめのお食事でした。

1週間の籠城生活を終えると…
畑とか田んぼとかの景色が、まるで生まれて初めて見るように、生き生きと新鮮に感じられました。
「なんて綺麗なんだろう…」今でも忘れられない風景です。
「100%太った」と思っていたら
そして家に帰り、お風呂に入ったあと、いつもの習慣で体重計に乗ってみました。
「間違いなく、太った…」
この1週間全く運動せず、1日の平均歩数は200歩位だったかもしれませんから。
一般的な常識として、
- 食事による摂取カロリー
- 運動や代謝による消費カロリー
この①と②の差による、とされています。
当然②より①が多ければ太るわけですよね。
この1週間は、確実に①が多い状態だったことは明らかです。
ところが、
心が変わると、身体も変わる!
後日分かったことですが、これは、わたしだけに限ったことではなかったのです。
同じ時期に内観療法に参加した後輩の男性も「身体が軽くなった!」と言っていましたし、
また他の参加者の方も、「体重が1kg減って、腰痛が楽になった!」と驚いていたそうです。
心理療法なので、心理的に良い変化があるのは当然といえば当然です。
わたしには、こころに溜まった余分なものが排出されたように感じられました。
それだけではなく、身体の面も同じように、からだに溜まった余分なものも排出されたようでした。
実際に、内観をしている間に、いろいろなことが思い浮かぶにつれて、急に吐き気がしたり、頭痛がしたり、という身体の症状も経験したからです。
やっぱり、人間は単純に食べたものの集積だけで出来てるわけではないですよね。
人間には、本来自由な、こころというものがありますから。
だから、単なるカロリー、物質的なことや、遺伝子だけでは説明できない何かが、人間には確実にある!
とわたしは確信するに至りました。
心の動きは身体の各機能に影響します
冒頭の「病は気から」という言葉は昔からありました。
「気」のせいで病気になるほどですから、当然「気」のせいで痩せることも太ることもありえますよね。
心理的な問題から病気が生じるということは、経験的には誰でも分かってはいたはずですが、そのメカニズムについては まだ完全に解明されていませんでした。
ところが、近年の精神神経免疫学などの研究分野の発展により、
自律神経系、内分泌系や免疫系には、心理的な要因が関係しているということが、生物学的・医学的に証明されてきています。
「病は気から」は単なる言い伝えではなくて、真実だったんです。
わたしのダイエット体験?も、その証明のひとつですよね。
人間の心の動きは、細胞・分子のレベルで身体の機能に影響を与えています!
つまり、心理的な問題に向き合うことが、ダイエットをはじめ、さまざまな身体の病気や不調を改善させる可能性があるということなんです。
わたしの場合は、心の部分から、もう必要なくなった過去の記憶やわだかまりを手放していったことが、身体のダイエットにもつながった、と考えられます。
このように心の動きが身体の機能に確かに影響を及ぼしていることは確実です。
身体=ただの物質と考えていませんか?
ダイエットが成功したかどうかは、体重や体脂肪という数値上の結果を見て判断することがほとんどですよね。
なので、ひたすら摂取カロリーを抑えるとか、糖質制限するとか、10キロ走るとか、物質的なことにばかり目が行ってしまいます。
わたしは、このブログでも、しつこいくらいに、「身体=心」だと繰り返していますが、それは、上記の例をみても分かるように、身体は単なる物質以上のものだからなんです。
「心」というものが、いつもいつも、セットになっていて、「身体と心」として存在しています。
決して、身体という物質だけが存在しているのではありません。
身体だけが存在している状態というのは、要するに死んでいる状態です。
生きている状態では、どんな瞬間でも身体と心は一体となっています。
心の働きがあなたのダイエットを邪魔している
本来、ダイエットには決して難しいことは無いはず。
生物学的には、摂取カロリーと消費カロリーの差に気をつければいいだけです。
それに、今やカロリーを抑えても美味しく食べられるものは、少し探せばたくさん見つかります。
そして、もし、あなたにとってダイエットというものが、「なりたい自分になる」ため、
つまり幸せになるための方法だとしたら、辛くて続けられないという事態には、そもそもならないはずですよね?
いろいろ試したのに上手くいかない。
のであれば、次のダイエット法に飛びつく前に、改めて、ご自分の気持ちを確かめてみることをお勧めします。
「ダイエット」という行動の奥にあるもの
なかなかダイエットが成功しないという場合、
「分かっているのに甘い物が止められない」「つい食べ過ぎてしまう」「運動する気になれない」という状況になり、「まあ、いいか」「もうやめた」「明日からやろう」という結果になることが多いのではないでしょうか?
そういう場合は、「ダイエットしたい」という気持ちの奥に、本当はもうひとつ別の気持ちがあるのかもしれません。
その裏側の気持ちが、あなたのダイエットを邪魔している可能性があります。
この問いかけを改めてご自分にしてみてください。
今の自分を変えたい!ということは?
痩せてきれいになる?
健康になる?
それとも?
「ダイエットしたい」という気持ちの奥には、おそらく「今の自分を変えたい」という思いがあるのではないでしょうか。
「今の自分を変えたい」ということは、今の自分に満足できない、今の自分は望ましい自分ではないということ。
「今の自分ではダメ」だと否定することにもつながります。
もちろん自分をより良い状態にしたいという気持ちはとても大切だと思います。
ところが一方で、今の自分を否定しないということも同じように大切だと思うのです。
体重を減らせば「なりたい自分」になれますか?
なかなかダイエットが成功しないという場合、今の「ダメな」自分が嫌で、手っ取り早く外見を変えてしまいたい、という気持ちでやっている方が多いように思います。
「ダメ」な自分を消し去るかのように、とにかく食事を摂らずに、ご自分を追い詰めるかのように体重を減らしてしまったり。
少しずつ結果が出ているのに、それに気づかないまま、「自分はやっぱりダメだから」と思い込んで諦めてしまったり。
自分に合っているかどうかよりも、「○○を食べると痩せる」という情報に翻弄されて、次から次へとダイエット食品を試してみたり。
これでは体重が減ったとしても、本当に「なりたい自分」になれるでしょうか?
自分と向き合うこと、身体の声を聴くこと
「ダイエットも気から」ですので、「自分はダメ」であれば、ダイエットも失敗する可能性大といえます。
そこまで自分を嫌い、ダメだと思うのは、おそらく、どこか心の深い部分に、傷ついた経験や、忘れられないほどの痛みがあるからだと思うのです。
そんな痛み、辛さ、苦しさを隠し持っている自分ではいたくない。
そんなお持ちかもしれません。
ダイエットの前に、自分のなかのそういう思いを整理し、心を整えてみた方が、「なりたい自分になる」近道かもしれません。
心を整え、そして身体の声にちゃんと耳を傾けるようにすると、自然に身体の方が今必要な食事量を教えてくれます。
すると、食べたい衝動を抑える必要もなく、気が付いたらベストな体重に落ち着いている、ということが起こります。
今はどんなにダメでも、自分のことが嫌いでも、自分というものと向き合っていくことで、「なりたい自分」に必ず変わっていけますよ。
どうか、今まで頑張って生きてきたあなた自身を、否定することだけは今すぐお止めになってください。
あなたはご存知でしょうか?
不安、うつ、トラウマ、過緊張など、こころの症状を、、身体を整えながら、身体の側から改善していくことができるということを。
「心の問題には対話によるカウンセリング」というのが一般的な常識ですし、
わたし自身、臨床心理士として、カウンセリングの効果も確かにあると認めています。
けれども、カウンセリングでは、うまく話すことができないと、なかなか先に進めない、ということも事実です。
いくら相手がカウンセラーだったとしても、そんなにすぐに打ち解けて、自分のありのままを話すことなんて難しいですよね。
信頼できるかどうかも分からないし、不安ですよね?
カウンセラーと信頼できる関係を築くまでには、本当に長い時間がかかります。
そのため、カウンセリングで変化を感じる前に、続けられなくなってしまう場合が多いのです。
「カウンセリングがうまくいかない」と困っている方がきっとたくさんいらっしゃるはず。本当はそういう方こそ、心のケアが必要なのに。
そこで、「無理に誰かに話さなくても、心の問題を解決していける方法があればいいな」と、わたしはずっと探していました。
そこで、たどり着いたのが、身体を整え、身体の感覚に向き合うことで、心を整え、心の問題を解決していこうとする方法でのカウンセリングだったのです。
これから自分らしく生きるために、こころ、からだをケアしたい。
でも、カウンセリングでは難しい。
そんなあなたにこそ、かぜのねのカウンセリングをお勧めします。
ぜひ、一度試してみてくださいませんか。