癒しというもの

本当のリラックス 〜「快」が分かれば「不快」が分かる〜

 

力を抜くって難しい・・・

たびたびお客様からこんなご感想をいただきます。

力を抜く、リラックスするというと、一見簡単なこと、楽なことのように思えますが、実はそうでもないんです。

現代に生きるわたし達にとっては、頑張ることより、リラックスすることの方がずっと難しいことなんです。

リラックスしようとしても、心身の緊張が取れないという方。
知らないうちに緊張しすぎて不眠や頭痛に悩んでいる方も多いものです。

この記事では、

  • 完全にリラックスするとはどういうことか
  • どうすればリラックスできるのか
  • なぜリラックスすることが大切なのか

ヨガの教えも含めて、ご紹介していきます。

適度な緊張、適度なリラックスが自然体

わたし達は本来、自然な状態であれば、適度にリラックスした状態でいられるはずなんです。

というのは、普段の日常生活では、不慮の事故や災害など、危機的状況に見舞われる可能性が常にあることを、わたし達は学習しているからです。

もし万が一、命に危険が迫ったときに、「身を守る」「戦う」「逃げる」などの行動がすぐに出来るように、目覚めている限り、ある程度、心身は緊張しているんです。

そういう適度な緊張であれば、心身の健康にとって害になることはありません。

なので、ここで問題になるのは、必要以上に緊張すること。

ただ、そうはいっても、自分がどの程度緊張しているのか?
それがなかなか分からないものです。

生きているだけで緊張してしまう世界

現代の社会生活は、とにかく情報に溢れています。
いつ、どこにいても、ネットを始めとする多種多様な情報と無縁ではいられません。

例えば、ちょっと電車に乗っても、今では車内モニターでは絶え間なく情報が発信されていますよね。
10年くらい前では考えられなかったことだと思います。
そのくらい、今のわたし達の生活は情報、特に視覚から入ってくる情報に晒されているんです。

それがなぜ、緊張することにつながるのか、というと。

視覚から入る情報は、全て脳で処理されます。
絶え間なく情報が入ってくるため、脳は常に稼働状態で休んでいる余裕がありません。
脳=心=身体ですから、当然、心も身体も休むことが出来ません。

ただ普通に生活しているだけでも、相当の緊張を強いられることになるんです。

緊張によって心身のエネルギーを消耗してしまう

また、わたし達の心と身体は密接な関係があります。
身体がリラックスしている時は、心もリラックスしているします。
心に不安がある時には、身体も同じように苦しんでいます。

人間の行動は「心」の働きから始まります。
心が刺激を受けると、身体に「行動せよ」と命令を送ります。

あふれる情報の、その多くは不安や恐れを呼び起こす内容のものです。
(特に広告では、不安感を煽った方が注目されやすくなるためでもあります。)

外部の情報によって刺激を受け、心が不安を引き起こされ、身体を身構えさせる。

こうして、多くの人は、今では日常の大半を、本来の必要以上に心理的、肉体的に緊張し続けた状態で過ごしていることになります。

当然、このような過緊張の状態でいると、身体にも心にも影響を及ぼします。
本来不必要な緊張は、それ自体も不快なものです。

さらに身体に筋肉を収縮させる司令を伝達することにも、筋肉の収縮状態を保つためにも、かなりのエネルギーを浪費します。
不安を感じた心がバランスを取り戻すことにも、エネルギーを使います。
ですので、心理的にも肉体的にも疲れてしまいますし、不調の大きな原因にもなり得るのです。

緊張しているのが当たり前

普通に生活しているだけでも、わたし達は過緊張の状態にあるということをお伝えしてきました。
つまり、「過緊張」が当たり前になっているんです。

人間は、たとえ不快な状態だったとしても、いつもと同じ状態に留まろうとする傾向があります。

というのは、人間は新しい状況に対応するためには、かなりのエネルギーを使うんです。
そこで、不快だとわかっていても、いつもと同じ状態を続ける方が楽なんです。
(人間はみんな省エネルギー体質なんですね。)

なので、普段、緊張すること、筋肉を収縮させることばかりやっているので、緊張することが得意で、リラックスすることが苦手なんです。

起きてから寝るまで、あるいは寝ていても緊張しているので、リラックスした状態が分からないのも、仕方のないことなんです。

心と身体のリラックス方法

心と身体をリラックスさせるのに、最も簡単で効果的な方法は、
まず身体を意識して緊張させて、そこから力を抜いていくこと。

こんなふうに仰向けで横になります。
ひとつひとつ身体の各部分にギュッと力を入れます。
その後、今自分が入れた力だけを抜きます。

これを手先・足先→足全体→お腹→肩→顔というふうに、身体の下から上まで順番に行っていきます。
呼吸はあまり意識せず、ただゆっくりします。

この「緊張と弛緩の繰り返し」が大切なんです。

というのは、緊張した感じが分からないと、リラックスした感じも分からないからです。
自分で意識して力を入れて、また自分で意識して力を抜くと、「力を抜く」という感覚が分かってきます。

普段の生活で、心が勝手に「収縮せよ」と命令をしているのと全く同じことを、ここでは自分で意識して「脱力せよ」と命令してやっているわけなんです。

最初は自己暗示になるんですが、練習を続けていき、「力を抜く」感覚を身体が覚えるようになると、それほど意識しなくても、必要なときにリラックスすることが出来るようになります。

リラックスが分かると緊張も分かる

こうして緊張と弛緩を繰り返していくと、身体が「緊張」と「リラックス」という状態をちゃんと認識してくれるようになります。

というのは、身体は一度何かを経験すると、必ず記憶しているからです。
「リラックス」が「快」であると一度経験すると、その「快」状態を身体は学習して、記憶に留めます。

身体は本質的に素直ですから、本当に「心地よい」、つまり自分にとって良いもの、必要なものだということが分かると、自然に、「心地よい」ものを求め、「心地の悪い」ものを遠ざけようとします。

そして「快」の状態が分かると、「快」ではない状態、つまり「不快」の状態も、ちゃんと、分かるようになります。
リラックスする感覚が分かるようになると、緊張している状態もよく分かるようになります。
不快な緊張状態に敏感になるんです。

なので、以前は気付かなかった緊張状態に気付くようになりますから、場合によっては、今までより緊張しやすくなったと感じられるかもしれません。

けれども、緊張状態に気付かないままでは、心身の緊張を取り除くことはできません。
「緊張に気付くことが、リラックスの始まり」です。

緊張に気付くことは身体の感覚を取り戻すこと

「自分がどれほど緊張しているか」に気付くことが、身体の健やかな感覚を取り戻すことにもつながってくるのです。

とにかく頭で情報を処理しなければならない世の中では、からだの感覚に注意を向ける機会が減ってしまい、感覚そのものが、疎かになってしまっている場合が多いんです。

ただ「リラックスしている」と自分の感覚をそのまま受け止めるだけで良いのですが、実際には、
「これが正しいリラックスなんだろうか?」
「ちゃんと力が抜けてるんだろうか?」
「これで大丈夫なんだろうか?」とか、頭でいろいろ考え過ぎてしまうのではないでしょうか。

そうなると、「なんとなく気持ちいいな」「呼吸がゆっくりしてきたな」と感じられていた感覚がスーッと消えてしまう。

身体の感覚、からだの声は、自分自身の心、頭の働きによって、案外簡単にかき消されてしまうものです。
そのため自分の内的な感覚より、情報に頼りがちな生活では、からだの感覚が鈍くなってしまうのです。

では、なぜ、身体の感覚を取り戻すことが大切なのでしょうか。

身体は自分に必要なものを知っている

わたし達のからだは、実に、素晴らしい仕組みに恵まれています。
それは、「自然治癒力」です。

心の傷も、心身の不調も、誰でも、あなた自身も、持っている、「自然に良くなろうとする力」によって、必ず回復していく、という仕組みです。
生きとし生けるものには、必ずこの力が備わっています。
(なので、本当の治療とは、あなたのなかの自然治癒力を高めることで回復を促す、ということなのです。)

自然治癒力によって、身体は素直に、自分にとって必要な「良い」ものを取り入れ、不必要な「悪い」ものを遠ざけようとします。

例えば、「食事を見直して、化学調味料を遠ざけよう」とすると、最初は味気なく感じていても、からだが感覚的に「これは良い」と判断すると、特別努力しなくても、素材そのままの味を求めるようになってきます。
さらには、化学調味料の味を「不味い」と感じて拒否するようになってきます。
頭で考えて、「あれはダメ」「これはいい」と無理矢理やろうとしなくても、自然にそうなります。

そういう自然治癒力から来るサインこそ、「身体の感覚」なんです。

リラックスすると自然治癒力が高まる

この自然治癒力は、「心地いい」「リラックスした」「気持ちいい」とあなたが感じた時に、一層高まります。

なので、「リラックス」が心身の健康の秘訣とも言えるわけなんです。

全体のまとめにもなりますが、まず、本当に「快」の状態を知ることが、第一歩です。

根本的に、心身の不調を改善したいと思われるのであれば、芯から「リラックス」「心地よい」「気持ちいい」と実感すること、「緊張している」という身体の声をまず聴けるようにすることを勧めします。

「快」という感覚を一度覚えると、それを手掛かりに、「不快」が分かるようになります。

このような身体の感覚に目を向けることをやっていくと、もっと繊細な感覚や、より深い部分の感覚も分かるようになります。
そうなると、身体や心のちょっとした不調にいち早く気付くことが出来て、すぐにバランスを取り戻すことが出来ます。

リラックスした状態に留まっていられれば、その分、自然治癒力(免疫機能も含めて)が高まりますから、より健やかな自分でいられます!

魂のリラックス?

ここから先は、ヨガの教えから。
身体と心のレベルより深い、魂のレベルでのリラックスについてお伝えしたいと思います。

身体と心のリラックスであれば、筋肉の緊張と弛緩を繰り返し、ゆっくり呼吸することで可能になるのですが、それよりも深く完全にリラックスするためには、自分の心の奥深く、魂のレベルでの安らぎを考える必要があります。

ヨガでは、人間は身体と心、そして魂(真我)から成り立つと考えられています。

普段わたし達は、自分とは「身体+心」だと考えているかと思います。
そして特に「心、頭で考えることだけが自分だ」と思い込んでいるのではないでしょうか。

魂というと、スピリチュアルな世界を連想して、敬遠される方もいらっしゃるかと思います。
けれども、ここでは決して「怪しい」ことを言っているのではありません。

というのは、わたし達はみんな、心と身体を超える「何か」を心の奥に秘めているからです。

例えば、どんなに強い感情に揺さぶられている時でも、心の奥底に「動かない何か」があることを感じ取ったり、頭では「これが正しい」と判断しているのに、どこかで「何かが違う」と予感していたりするものです。

はっきりと魂と名付けて、そういう存在を認めかるどうかは別として、人間には、単なる肉体的な身体でもなく、単なるイメージだけの心でもない、本質的な自分自身というものが、自分のなかに必ずいるはずです。

その自分自身の本質とつながることが、完全にリラックスすることなのです。

具体的には、動き回る心と時間とともに変化する身体から一時的に離れて、外側から自分の心と身体を眺めてみることです。
自分の本質、心と身体を超えたところの自分自身の視点から、ただ観察してみるということ。

言葉で表現すると難しいことに見えるかもしれませんが、毎日の生活のなかでも、こういう完全にリラックスする時間を持つことができるんです。

「何もしない」ことをやってみる

ヨガで一般的に「死体のポーズ」と呼ばれるものが、この完全リラックス状態に向かう方法と言えます。

実際どうやるかというと。

先程のイラストのように、仰向けで横になった状態で、身体全体の力を手放して重力に身を任せて、ただ呼吸の音を聴いてみます。

ただそれだけ。

何かをするのではなくて、何もしないんです。

この完全にリラックスする状態というのは、なろうとしてなれるものではなく、自然に訪れるものなんです。

それをただ待ってみます。
あまり意識せずに。

ちょうど、普段眠る時も、「眠ろう」としていても眠れるわけではなくて、横になっているうちに、いつの間にか眠りが訪れて、眠っているわけですよね。
それと同じことです。

もし身体と心から意識を遠ざけることができなかったとしても、徐々に全身の力が抜けて、ゆっくりと呼吸が出来ていると、それだけで、身体には生理的な変化が起こってきます。

筋肉が弛緩して交感神経の活動が低下し、副交感神経の活動が優位になります。
(副交感神経の働きが高まると、自然治癒力も高まります。)

わずか数分でも、深いリラックス状態が経験できると、数時間分の睡眠を取ったのと同じくらい疲労回復効果があるとされています。

こちらも、あまり頭で考え過ぎず、毎日少しずつやってみるのが近道です。
だんだんと力を抜く感覚がつかめるようになって、リラックスもどんどん深くなっていきますよ。

リラックスというと、「ただ楽になればいい」という意味で捉えられがちですが、本当にリラックスすると、心身を深いところから癒やすことができる、そういう効果があるものなんです。

リラックスも、ご自分のペースで少しずつ実践してみると、ゆるんだ感覚がつかめるようになります。

ぜひ、お試ししてみてください。

ABOUT ME
Chisako
臨床心理士・公認心理師・ヨガインストラクター。元社労士。 こころとからだのことで悩んでいるあなたに、わたしの今までの学びがお役に立つと嬉しいです。 根が不器用な自分を認めて、ただシンプルに生きるのが信条。
あなただけに合ったヨガを学んでみませんか?

あなたはご存知でしょうか?

本来のヨガには、身体と心の不調を癒していく効果があります。
欧米では、そんなヨガが医学的治療の一部として、疾患の予防、ストレスケア、メンタルヘルスの向上、リハビリなどにも役立てられています。

一般的に知られていないことですが、ポーズが出来ても、出来なくても、ヨガの効果とは全く関係ありません。

なぜなら、ご自の内面に集中して、意識してからだを動かすこと自体に、あなたを癒し、変えていく力があるのです。
身体を整えることで、脳や心がリラックスし、結果として心身のバランスを取戻していくことができます。

「ヨガをやってみたいと思っていたけど、まさか自分がヨガなんて?」と、
一般的なヨガ教室を敬遠されていたあなたにこそ、一度お勧めしたいのです。

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