日常の姿勢で悩んでいるお客様も多いです。
自分では姿勢に気を付けているつもりだけど、ふと気づくと、前屈みになっている。
何となくスッキリしないし…
集中力もなくなったな…
深呼吸があなどれないのと同じく、正しい姿勢も、あなたの人生を左右するかもしれません。
決して大げさなことではなくて、心理学的にも研究された本当のことです。
ここでは、正しい姿勢がなぜそんなに大切なのか?
お伝えしていきます。
深呼吸の効果や方法についてはこちらを。
正しい姿勢とは?
そもそも正しい姿勢とはどういうものでしょうか?
医学やリハビリ、各種スポーツなどで、それぞれの定義があるかと思います。
ここでは、わたしが学んできたヨガセラピーおよび臨床動作法の考え方に基づいた定義をご紹介します。
正しい姿勢とは?
- 頸から肩、背中、腰までの中心が真っ直ぐに通っていて、軸がちゃんと直に立てられていること。
- お尻が引けていない状態で、股関節と膝関節も真っ直ぐに伸びていること。
- ①と②の形を保ったまま、重心は踵側に、全体重を足の裏全体で支えていること。
そしてさらに、からだ全体に、緊張しなくても、しっかりとした力が入っていること。
というのが理想です。
意外と難しいですよね。
実際、難しいことなんです。
(ヨガのポーズに、ただ真っ直ぐに立っているだけのように見える「タダアーサナ、山のポーズ」と呼ばれるものがありますが、実は、一番基本的で、一番難しいポーズなんです。)
普段何気なくやっていることですが、ちゃんとやろうとすると、こんなに意外に大変な行動なんですよ!
正しい姿勢が取れると、自然に呼吸が深くなる
日頃の姿勢が影響して、普段の呼吸が浅くなっている方が多いです。
デスクワークが多いと特に、一日中、パソコンに向かって前屈みになっていますよね。
今のように、外出自粛で自宅で過ごす時間が長いと特に姿勢は悪くなりがち。
前屈みの猫背の姿勢では、たいてい、肩がきゅっとすくんで、肩の位置が前に入ってしまっていますね。
そうすると、胸がすぼまって緊張し、胸、みぞおちのあたりがいつも硬くなってしまいます。

こんなふうに緊張して胸が閉じていると、深い呼吸をしようとしても、本来呼吸にしたがって動くはずの肋骨がうまく動かなくなります。
そのため、肺が十分に動かず、鎖骨の下(上肺部)まで呼吸が入らなくなってしまうので、呼吸がどうしても浅くなってしまうんです。
呼吸が浅いと、自律神経の働きが弱くなります。
肋骨まわり、横隔膜周辺には自律神経が集中していますので、自律神経の動きが鈍くなるのです。
そうすると、リラックスすべき時でも、副交感神経が優位にならなくて、しっかり休めない状態に。
それが続くと、当然、疲労やストレスが溜まってしまいます。
正しい姿勢であれば、肩が後ろに回って、緊張感なく呼吸とともに胸が広がりますから、自然に肺全体を動かして深い呼吸ができるようになるのです。
なので、猫背を治すと、呼吸が変わってきます。
深い呼吸ができるようになると、自律神経のバランスが整いますから、睡眠の質が良くなったり、血行が良くなったり、メリットがたくさんあります。
ヨガが健康に良いというのは、ヨガでは、横隔膜周りの呼吸筋を鍛えて、深い呼吸をしやすい身体を作っていくからでもあるのです。
プチ猫背改善法
ちょっとした心がけでできる猫背改善法をご紹介します。
椅子に座ったままでも、立っていても、いつでも、どこでもできますので、習慣にしてみてくださいね。
- 肩を後ろ側にぐるぐるっと回してストンと下ろす
- 肩甲骨同士を中心に寄せるように意識する
それだけです。
肩の力を抜いて、楽な気持ちでやってみてください。
こうすると、胸にスペースができるので、楽に呼吸できます。
ただ、意識しないでいると、また元の猫背に戻ってしまいます。
ですが、あまり気にしないで、楽にやれる範囲で、気長に取り組んでみるのがお勧めです。
肩が前に入ってきたな、と思ったら、また後ろに回せばいいだけですから。
猫背というのは、身体の癖なので、
すぐには治らなくても、コツコツ心がけていると、そのうちに新しい癖である「正しい姿勢」が身についてきます。
まとめてたくさん時間を取って練習するより、思い付いた時に、「肩をグルグル後ろに回す」ということを繰り返してみてください。
こんなふうに、日頃の姿勢に気をつけていると、自然に深い呼吸ができる身体になります。いつの間にか、前より緊張しにくくなっているご自分に気がつきますよ。
姿勢は無意識の反応ではなくて、自分で意識している
もしかしたら、姿勢を取るということは、無意識で勝手に身体がそうなってしまう、かのように思われているかもしれません。
そう思われていますが、実はこれは間違いです。
姿勢を取るのは、熱いものに触ったときに手を引っ込めるような、反射的な行動ではありません。
ましてや、喉が渇いたり、お腹が空いたり、というような、生理的な反応でもないのです。
姿勢とメンタルとの深い関係
からだの姿勢=こころの姿勢
この図式が成り立つほど、姿勢とメンタル面とは深くつながっているんです。
「え?そうなの?」と、ちょっとビックリされましたか?
なぜかというと。
わたし達が生活する地球には、重力があります。
なので、何も意識していないと、当然、からだは重力に従って、横たわったままの状態です。
そこで、背骨を立ち上げた状態でいることは、地上にいる限り、抗えない地球の重力に対して、
自分のからだを、自分の意思と、自分の筋力で真っ直ぐに立ち上げようとした、努力の結果なのです。
なので、何らかの姿勢を取るというのは、れっきとした、あなたの努力を伴う、心理的な活動なのです。
なぜ、そんなに努力しているはずの「姿勢を取る」ことが、無意識でやっているように錯覚してしまうのかというと。
誰にでも、赤ちゃんの頃から、あまりにも当たり前にやっていることなので、日常的過ぎて意識されることはほとんどない、というだけなのです。
ですが、今背骨を立てている状態を保っている以上、誰でも、意識していないうちに、ちゃんと努力をしているのです!
例えば、何となく気力がない時、気分が落ち込んでいる時、自然に、身体の姿勢も前屈みになったり、顔がうつむきがちになっていますよね。
心理的に、重力に対抗しようとするエネルギーが乏しくなっているためでもあるからです。
「正しい姿勢」が自信につながる
「正しい姿勢」を取ることができるようになると、メンタル面も強くなります。
それは、重力に対して、こうすれば自分の力で立てるし、正しい姿勢を作って、それをちゃんと維持していけるという、自分自身に対する信頼感が生まれるからなのです。
いつもいつも、わたし達は、「姿勢を取る」ということこを通して、
重力という外部の環境に対し、自分が能動的に身体に働きかけ、意識的な努力をして、「姿勢を取っている」という結果を得ているわけです。
逆らえない重力というプレッシャーに対して、自分のからだを真っ直ぐに立てられるということ。
それは実は、重力が支配する世界に対して、自分のからだを適切に位置づけ、自由に努力している「わたしが存在する」ということの証明になるんです。
上述した、「正しい姿勢」を取ると、自然に必要なからだの部分に、必要な力が入り、不要な力が抜けて、自分の足でちゃんと大地に立っている、という感じが、グッとあなたのからだで体感できます。
このまさに、「自分がここにいる」という感覚が、あなたの気持ちを安定させていきます。なので、正しい姿勢が心理的な安定感や自信を導くのです。
これは、わたしが学んでいる臨床動作法でも明らかなことですし、ヨガをお伝えしている生徒さん達も、実際に体感している事実です。
↓ こちらは、わたしのヨガクラスを受けた生徒さんのお声です。

姿勢が整うと、呼吸が楽になり、からだもこころも安定することがご理解いただけると思います。
「正しい姿勢」は一生もののスキル
姿勢のあれこれを言葉で書いてしまうと、「はあ?」という感じで、
かえって分かりづらくなるかもしれませんが、「しょせん立つこと」なので、
簡単にできますから、ぜひ、実際にあなたのからだで少し試してみてください。
意外と繊細な感覚があることに気付けるはずです。
本当に姿勢って侮れません。
正しい姿勢を身に付けると、毎日のことですから、少しの心がけが大きな差を生みます。
猫背のまま、ネガティブな気持ちで一生を送るのと、「正しい姿勢」で自然な自信を持ってその後の人生を送るのと、あなたはどちらを選びたいですか?
きっと、あなたも「姿勢に気を付けよう!」という気持ちになって下さったのではないか、と思います。
最初は、「正しい姿勢」といっても、バランスが取りづらかったり、逆にふらふらした感じになるかもしれません。
コツコツ、気が向いた時だけにでも、意識していくと、必ず変わってきます。
うまく出来る時も、出来ない時もありますが、姿勢は「身体の癖」なので、正しい姿勢を意識していると、自然にちゃんとできるようになります。
始めるのに遅すぎることはありません。
ぜひ試してみてください。

本来のヨガの目的のひとつは、「心をケアすること」。
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