雑記帳

時熟ということ。

2021年は梅雨入りが記録的に早い年になりそうですね。

湿気の多いこれからの時期には、神経痛、関節炎、リウマチなど、身体の痛みが悪化しやすい時期でもあります。
わたし自身も、2年以上前の手術の古傷がうずくのを感じます。

何かと鬱陶しい時期。
物事もなかなか進んでいかないような。

こんな、気持ちが沈み込みそうな時に、わたしはいつも「時熟」ということを思い出すようにしています。

コップの水が溜まってあふれるような、その時

この「時熟」という言葉を知ったのは、精神分析のトレーニングを受けていた時です。
その講義のなかで、ある先生からお聞きしました。
(もともとはハイデガーという哲学者の言葉のようなのですが、詳しいことは分かりません。)

簡単に言うと、物事には、後にも先にも、「その時しかない」というタイミングがあるということです。

その先生のクライエントさんで、ずっとカウンセリングをしていても、あまり効果が見られなかった方がいらしたそうです。
ところがある時、急に良い変化がみられるようになって、あっという間に回復され、カウンセリングをも終了されたとのことでした。

「これが時熟と言うものだね」
先生は穏やかな口調で、そうおっしゃいました。

治るべき時、新しい生き方を始めるべき時期が来た、いろいろな意味で準備が整った、ということでしょうか。

わたし自身にも、今思うと「あれは時熟だった」と言えるタイミングがありました。

春に桜が、秋にコスモスが咲くように…

今から20年ほど前のことです。
当時20代半ばのわたしは、心身の不調に悩まされていました。

アルバイトや資格試験の勉強をしながらも、「ちゃんとした仕事をしなくては」と思いつつ、いざ、求人に応募しようとすると、なぜか漠然と会社とか、組織とかが怖くなって行動に移せない。

身体がだるくて、心身ともに疲れやすい。
ちょっとしたことをきっかけに、すぐに気分が落ち込んでしまう。
とにかく寝付きが悪くて、横になってから4〜5時間経ってからやっと眠れる。

そんな状態が続いていたことがありました。

病院には行きましたが、特に改善もせず。
改善するために何か始めようとしても、気力がない。
(当時はまだヨガに出会っていませんでした。)

「大学を出たのにまともに働けないわたしを家族はどう思っているのだろう?」
何をするにしても、そればかりが気になって、家にも居づらい。

家族にサボってると思われたくない一心で、家事をやり、本当は外出するのも辛い状態だったのですが、図書館で勉強したり、ハローワークで仕事を探したり。

とうとう疲れ果てて、横になっていることしか出来なくなったある日。

ベッドに横になっていた、まさにその間に、なぜか、急に吹っ切れたというか。

まさに「時熟」というべきタイミングが訪れ、少しずつ立ち直ることが出来ました。
(この経験について、詳しくはこちら

この出来事の前に、いろいろ読んでいた養生法の本の中で、こんな一節がありました。

春に桜が、秋にコスモスが咲くように、それなりの時期というものがある。コツコツやっていれば、辛い症状も、その時が来れば必ず良くなるから

「そんな悠長な…」とその時はほとんど気にも留めていませんでしたが、要するに同じことなんですよね。

さらに少し前にも、また「時熟が来た」としか言えないことを経験しました。
続いてご紹介するのは、わたしのセッションを卒業した方のケースになります。

突然やってきた「赦し」

その方は、パニック発作の既往があり、病院や他のカウンセリングを試したけれど、自分には合わなかったということで、こちらに来られました。

契約社員として働いている職場では、人に見下されている感じがして、いつも緊張してしてしまう、とのこと。
また、これからの自分の生き方をもう一度考えていきたいという希望をお持ちでした。

職場での上司のこと。
「一度も褒めるということをしなかった」お母様のこと。
正社員でもなく、家庭を持っているわけでもない自分はダメだと思っていること。

もともと保育の仕事に興味があり、まずはボランティアでいいから、勉強しながらチャレンジしてみたいと思っていること、など。

セッションを続けながら、こうしたお話を伺いました。

セッションを開始して数ヶ月後。
ずっとやりたいと思っていた保育補助のボランティアを始められることになったそうです。

そのボランティアの初日。
担当のお子さんを抱っこして、あやしていた、まさにその時。

突然、何か、心の奥から満たされた気持ちになって。
「赦された」そんな思いが湧いてきて、「これだったんだ、これでいいんだ」
そういう言葉が、ご自分のなかから自然に生まれてきたそうです。

そのセッション以降、パニック発作の不安をお話されることがなくなり、体調も安定してきたので、セッションは卒業となりました。

この時、彼女の心の奥底で何が起こっていたのか?
それは、誰にも正確には分からないことだと思います。
彼女だけが、向き合うことができる領域のものですから。

ただ、彼女に罪の意識を植え付けたもの。
ずっとダメ出しをして彼女を追い詰めていたもの。
「悪いことをしているのでは」という意識から解放されたということは確かです。

物事には「あるべきタイミング」がある

ヨガやカウンセリングをずっと続けていて、結果がなかなか出なかったのに、ある時、すーっと改善する。
こちらが無理にタイミングを合わせるというのではなく、自然に「向こうから」その時期が来る、という感じなのです。

その時に、その状況でしかありえないタイミングで、ある変化が起こるんです。

それには自分自身の力ももちろん必要ですが、目に見えない何かの作用、運とか巡り合わせとか、そんな大きな力も手伝って、変化という、新しい何かが生まれるのでしょう。
果実が熟すように。

こういうことは、誰の人生にも、もちろん、あなたの人生にも起こることだと思います。

「その時」を待ってみる…

今、まさに辛い状況にあると、「待つ」なんてとんでもない!と思われるかもしれません。でも、あなたの今の苦しみ、痛み、辛さは必ず終わる時が来ます。

何も出来なくてもいいですし、
もし、出来ることがあるのであれば、それを続けながら、時期を待ってみてください。

あなたの今までの努力は、決してあなたを裏切ることはありません。
けれども、化学反応のように、一定の条件で、いつも同じことが起こるとは限りません。

人間の生身の心と身体ですから、10の努力をしたからといって、いつも10の結果が出るわけではありませんよね。

いろいろ気を付けて、出来る限り努力しているのに、どうしても調子が悪い時ってあると思います。
それもある意味、仕方のないことかもしれません。

 

わたし達は自然の一部として生きています。
昼と夜、夏と冬、月の満ち欠けなど、自然の全てにはサイクルがあります。
わたし達も、調子が良い時も、悪い時も、どちらもあるのが自然なことではないでしょうか。

調子が悪い時は、無理に調子を上げようとする必要もないのかも。
「そういう時期だ」と思って、慌てずに、のんびりしていると、いつの間にか調子が良くなっていることもあります。

変化は、頑張らなくなった時、何かを手放せた時に、起こるのかもしれません。

今のあなたには、いろいろあって、辛すぎて、とてもそんなふうに思えないかもしれません。

調子が悪くて何も出来ない状態でいるしかなくて、それで周囲の人にサボっていると思われるのは、本当に辛いことだと思います。
そして以前は何でも出来ていた自分が、何も出来なくなってしまったことを認めるのも、また、辛いことです。

たとえ何も出来なくても、その辛さに耐えて、生きていられるご自分を認めてあげてください。

身体も心も動かなくても、生きている限り、身体は良い状態になろうとしています。
身体は動けないなりに、エネルギーを貯め、いつか動けるようになるため準備しているんです。

だから、生きている時間が与えられている限り、必ずまた立ち直れます。

毎日の生活は「創造」の連続だから

辛い状況の中で、今日1日でも何とかやり通せたことは、ひとつの積み重ねになります。

「そんな大げさな?」と、思うかもしれませんが、普段の毎日の生活だって、新しい創造の連続です。
同じ日は一日としてありませんから。

日々、お天気も、季節も、変化しています。
あなたも、周りの人も、変化しています。
家庭や職場の環境も。

そんな変化してやまない状況のなかで、外側の環境に合わせて、わたし達は毎瞬毎瞬新しい行動を取っているんです

それは、本当は大変に、創造的なことではないでしょうか?

ルーチンワークだって創造すること

何が出来ても、出来なくても、「あなたとして生きる」ということで、あなただけに与えられた役割を果たしているんです。

家事など、いわゆるルーチンワークとして、あまり深く考えることなく、「普通に」やっていることもあるかもしれません。
でも、普段の生活は、全てルーチンでやれるほど甘くはないのが現状のはずです。

特に、こんな何事にもスピードが求められる時代ですから、身の回りのことをするだけでも、昔とは比べ物にならないくらい、頭脳の処理能力を必要とします。
だから「当たり前のこと」が辛いんです。

変化は必ず訪れます

繰り返しになりますが、自分を変えようという想いは、あなたを裏切ることはありません。

具体的な行動が出来なくても、諦めないでください。
今のあなたに出来ることを続けていれば、必ず「その時」は来ます。

芽吹くタイミング、今までなかったものが生まれる時があります。

ABOUT ME
Chisako
臨床心理士・公認心理師・ヨガインストラクター。元社労士。 こころとからだのことで悩んでいるあなたに、わたしの今までの学びがお役に立つと嬉しいです。 根が不器用な自分を認めて、ただシンプルに生きるのが信条。
あなただけに合ったヨガを学んでみませんか?

あなたはご存知でしょうか?

本来のヨガには、身体と心の不調を癒していく効果があります。
欧米では、そんなヨガが医学的治療の一部として、疾患の予防、ストレスケア、メンタルヘルスの向上、リハビリなどにも役立てられています。

一般的に知られていないことですが、ポーズが出来ても、出来なくても、ヨガの効果とは全く関係ありません。

なぜなら、ご自の内面に集中して、意識してからだを動かすこと自体に、あなたを癒し、変えていく力があるのです。
身体を整えることで、脳や心がリラックスし、結果として心身のバランスを取戻していくことができます。

「ヨガをやってみたいと思っていたけど、まさか自分がヨガなんて?」と、
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