本当のヨガとは?

ヨガでケガをしないために

最近、最近、ヨガで怪我をしてしまう方が増えているとのニュースを度々目にします。
NHKでも特集が組まれて報道されていました。
ヨガインストラクター向けの賠償保険も誕生したほどですから。

とても悲しいことです。
せっかく健康のためにヨガを始めたのに、ケガをしてしまうのでは、本末転倒。

それに、ヨガは危ないというイメージから、ケガを恐れて、ヨガが敬遠されてしまうこともあります。
また、ヨガの学びのなかでは、新しい難易度の高いポーズにもチャレンジしていくことも大切なのですが、ケガを予防しようとするあまりに、一歩踏み出すことを躊躇してしまい、本来であれば到達できるレベルに行けないのも残念です。

そこで、この記事では、ヨガで怪我をしないように、気を付けていただきたいことをお伝えしたいと思います。

しかし、本来ヨガでケガをするなんて、そもそもあり得ないことなんです。
ヨガの基本に沿って誠実にやっていれば、難易度の高いポーズを練習していても、ケガとは無縁のはず。

なぜなら、ヨガはスポーツでも、エクササイズでもありませんから。
ここでは、ヨガは単なる運動ではない、という大前提のもとに、ケガをしないためのヨガの正しい練習の仕方についてご紹介していきます。

①「ポーズができればいい!」と思っていませんか?

 

例えば、上の写真のポーズ。
サンスクリット語では、ヴィラバドラーサナ2、日本語では戦士のポーズ2と呼ばれているポーズ(アーサナ)です。
初心者向けのクラスでもよく出てくる基本的なポーズです。

このポーズ、写真では膝が90度まで曲がっていると思います。

一般的なヨガクラスでは、「お膝90度まで曲げてみましょう!気持ちよく呼吸して。」とか、指導されているのでは?と思います。

しかし、このポーズで大切なのは、膝を曲げることではありません!

前の膝を曲げることより、後ろの足で踏み込む強さが大切なのです。

このポーズのポイントは、前足のつま先と膝の位置を真っ直ぐに揃えて、後ろの足に、特に小指側の側面に重心を残したまま、真下に腰を落としていく、ということ。

実際のところ、目に入る曲げている前足に注意が向きがちなのですが、そうではなく、自分では見えない後ろ足の意識の方が大切。
後ろに引っ張られるように意識する位でちょうどいいです。

ポーズの形だけを見て真似しようとすると、
つい、「膝を曲げよう!」と頑張ってしまいますね。

しかし、股関節が十分に開いていない状態で膝を90度まで曲げようとすると、ほとんどの方は、膝の位置が内に入った状態のままで、膝を曲げてしまいます。
さらに、重心の意識を後ろ足に保つことをしないままポーズを行ってしまうので、前足にばかり重心をかけてしまいます。
膝の位置がズレたまま、片膝ばかりに体重をかけると、当然、膝や靭帯を痛めてしまうおそれがあります。

ヨガを安全に練習するために大切なのは、形だけを見て同じポーズを取ろうとするのではなくて、からだのどこに意識を向けるべきか、きちんと理解することです。

からだのなか、つまり自分の内側に意識を向けること、それがヨーガの第一歩です。
率直に言うと、形は二の次。

たとえ、形がキレイに取れていたとしても、からだのなかに意識が向いていなければ、ヨーガをやっているとは言えませんし、ヨーガの本来の効果もありません!

そして、当然のことながら、自分の身体の感覚だけに意識が向いていれば、痛みや違和感にもすぐに気付くことができますから、ケガをすることはまずありません。

②「みんなと同じにやらなきゃ!」と焦ってませんか?

一般的なヨガスタジオやスポーツジムでは、グループレッスンが主流です。
グループクラスでは、お友達と一緒に楽しく参加できるという利点もあります。

けれども、よくあるスポーツジムのスタジオでは、壁全体が鏡になっています。
クラス全体のなかで、自分の出来ない姿が鏡に映っている・・・

やっぱり、そういう環境ですと、
「みんなと同じようにやらなければならない、できない自分が恥ずかしい」
そんな気持ちになるのは当然のことですよね。

さらには「あの人より私の方が上手にできる」「隣の人が上手なのに私はダメ」とか。
必要のない優越感とか劣等感を持ってしまったり。
周りに合わせて早く上達しようと焦ったり。

以前、スポーツジムでヨガをやっていた時に、まるで競争するかのようにポーズの完成度を競う雰囲気があって、正直、わたしは驚きました。

ヨーガは競争ではありません。
ポーズの形を取ることがヨガの目的ではないんです。

ヨガのポーズを取るだけだったら、もちろん、関節が柔軟な方、手足が長い方は確かに有利です。
実際に、生まれつき関節が柔軟で、手足が長い方は、特別に練習しなくても、背面合掌が出来たりします。

 

でも、先ほどもお伝えしたとおり。
形を取ることが大切なのではなくて、自分の身体の内面に意識を向けることがヨガです。
生まれつきの柔軟性で形を取っただけでは、ヨーガをやったことになりません。

逆に、からだが硬くて形は取れなかったとしても、自分のからだのなかに、最大限意識を向けてポーズを行えば、結果としてどんな形になったにせよ、それがまさにヨーガなんです。

誰でもみんな、身体は一人ひとり違います。
骨格や体形、関節の柔軟性、筋肉の付き方は全て人それぞれ。
なので、誰かと全く同じ形のポーズを取ることはできないんです。
ヨガのポーズは全て、今日、この瞬間の、あなたにしかできないポーズなんです。

なので、誰かと競争するものではなく、そもそも他の人と比べることは、全く意味のないことなのです。

ポーズが出来ても、出来なくても、自分の身体に意識を向けて、自分の意思で身体を動かしていくことに集中していれば、ケガをすることなんてあり得ません。

③「早く効果を!」結果を急ぎ過ぎていませんか?

ヨガの効果は必ずしも目に見えることだけではありません。
すぐに痩せて体形が変わるとか、たちどころに痛みが消えるとか、それほどの即効性は残念ながらありません。

結果が目に見えて分かるポーズとしての形を作ることがヨガだと受け取られていて、上手・下手、できる・できないと、判断してしまうのと同じように、早く結果を出そうとして、無理に難易度の高いポーズをやろうとしてしまうケースがよくあります。

繰り返しになりますが、ヨガは本来、「自分の身体の内面に向かっていく行い」です。
なので、あるポーズが「できた・できない」と単純にジャッジできるものではありません。

ヨガのポーズには、下の写真のような「肩コリ改善に良い」ポーズなど、ある種の効果を見込んで紹介されていることがあります。
もちろん効果はありますが、本来ヨガのポーズには、単に肩コリを改善するために考案されたものはありません。

 

もっと目に見えないような、微細な部分の筋肉の動き、呼吸の質感、身体の内部で感じるエネルギー。
そんなものに向かって意識を向けていくことがヨガなんです。

当たり前ですが、微細な身体の部分を感じるには、例えば、肩だったら日常生活ではほとんど動かさないような部位の筋肉を使ったり、普段はやらない動きをやってみたりします。
その結果、自然に肩の調子が良くなって肩コリも改善されていく、ということ。

確かにヨガは、身体の状態を改善するために効果的なんですが、それはヨガ本来の目的とは異なります。
なので、やってすぐに目に見えるような結果が出るわけではありません。
早く調子を良くしたいからと、頑張り過ぎると、かえって身体を痛めてしまうことにつながります。

特に、今のように、オンラインや動画で、自宅にいながら時間制限なくヨガを学べる状況では、やり過ぎに注意が必要です。

あくまでも、ヨガ本来の目的は、自分の身体のなかの微細な感覚まで内観していくこと。
そのことを忘れないで、ゆっくり、じっくり取り組んでみることをお勧めします。

ヨガとは自分自身に向き合っていくこと

ヨガでケガをしないために、心構えとして知っておいていただきたいことを今までご紹介してきました。

少なくとも、他の人と比べたり、競争することはしないで、
自分のからだを意識する、つまり「自分と向き合う」という
ヨガの本来の目的を忘れないでいれば、難易度の高い練習をしていても、決してケガをすることなく、安全にヨガを学ぶことができます。

わたし達人間は、目に見える結果だけに惑わされやすいもの。
けれども、目に見えない身体の内面で起きていることも、自分らしく生きるうえで同じように大切なものです。

そして、あなたのからだは、あなただけに与えられた貴重なものです。
どうぞ、ヨガをやる時には「自分が今何を感じているのか?」ということ。
今まさに自分がしている呼吸、変化していく身体の動き。
そこに意識を向けてやってみてください。

なぜなら、そういう、「今・ここ」のあなたの感覚は、他の誰のものでもない、今のあなたのなかにしかない、あなただけのもの。
あなたがちゃんと向き合ってあげなければいけません。
他の誰かが、あなたに代わって「今・ここ」にしかないあなたの感覚に向き合うことはできないのですから。
そういう、あなただけの貴重な感覚は、自分らしく生きるための気付きを与えてくれます。

 

Chisako
Chisako
ご自分の感覚に向き合わないなんて、もったいないですよ!

 

これからは、ヨガレッスン中に、他のみんながやっていても、自分には無理だと思ったら、勇気を出してやるのを止めましょう。
あなた自身を怪我から守るために。

そしてレッスンについていけなくても、あなたが今出来ることを、自分の内面の感覚に向かおうとする気持ちを込めてやれば、それはもう立派なヨガになります。
たとえ満足にポーズが出来なかったとしても、ヨガの目的は達成されたと言えます。

どうか、あなたにも、ヨガが与えてくれる喜びを、たくさん味わっていただけますように。

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Chisako
臨床心理士・公認心理師・ヨガインストラクター。元社労士。 こころとからだのことで悩んでいるあなたに、わたしの今までの学びがお役に立つと嬉しいです。 根が不器用な自分を認めて、ただシンプルに生きるのが信条。
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