より自分らしく健やかに。完全マイペースでヨガを学んでみませんか?

初心者だからこそ「楽な」クラスはダメ!

ヨガ教室やホットヨガ、スポーツジムでは、いろいろなヨガクラスがあるのが普通です。
初心者向け、中級者向け、上級者向けとレベル別になっている場合もあります。
または、リラックスヨガ、ハタヨガ、パワーヨガなど、ヨガのスタイルによって分けられている場合も。
レベル別にクラスが分かれているのであれば、自分のレベルに合っているクラスに参加してみることをまずはおすすめします。
しかし、特に初心者の方に気をつけていただきたいのは、必ずしも、「リラックスヨガ=初心者向け」ではないことです。

リラックスヨガこそ「上級者」向け

「身体が硬いから、難しいポーズなんて出来ないし…」
そう考えて、ヨガ経験の浅い方があまり身体を使わないクラスを選ぶお気持ちも分かります。
私自身も、ヨガを始めたばかりの頃、そう考えていたこともあります。
けれども、これから本気でヨガをやってみたい方には、ある程度運動量のある、身体を動かすクラスをお勧めします。
それはなぜかというと。

ヨガでは、ご自分の内面の感覚に意識を向けて、呼吸や身体の変化に集中することがとても大切です。
「どれほど自分自身に集中出来るかどうか」が、ヨガの上達のレベルと言っても過言ではありません。


身体をほとんど動かさない状態でいながら、自分の内面に集中するというのは、実は意外と難しいことなのです。
実際やってみると分かるかと思いますが、例えば、楽に座った状態で、呼吸だけに意識を向けて集中しようとしてみます。
経験が浅い方の場合は特に、ただ眠くなってしまったり、腰や足が痛くなって、そちらに気を取られてしまったり、という状態になることが多いかと思います。
それでは、残念ながら、本来のヨガの効果は得られません。

初心者の方は立位のポーズをしっかりと

ですので、リラックスクラスや、瞑想や呼吸法を中心にしたクラスは特に、坐位のポーズを一定時間無理なく出来るレベルの、ある程度練習を積んだ方にこそお勧めです。
初心者の方には、まずは身体作りのために必要な立位のポーズから練習することをお勧めします。
なぜなら、ヨガをずっと続けていきたいのであれば、基本となる足腰の強さが必須だからです。
その理由を、伝統的なヨガの教えからお伝えします。


ヨガのもともとのルーツは、「自分自身の本質を悟る」ための修行です。
遡ると仏教の座禅と同じルーツなんです。
座禅では、数十分から数時間も、正式には蓮華座という座り方で、静かに座って瞑想することが求められます。

そのくらいの時間、ずっと動かずに自分の内面に意識を向けているためには、当然のことながら、姿勢が安定して、ゆっくりと深い呼吸ができて、穏やかな気持ちを保ち続けられることが必要です。
股関節や膝関節の柔軟性が足りないと、この座り方で座ることさえできません。
仮に座れたとしても、時間が経つにしたがって、足や膝が痛くなってきたら、もう、座っているどころではなくなります。
そして、安定した姿勢を作るには、何より背骨を真っ直ぐに引き上げ続ける筋肉の強さが必要です。
そのためには、背骨に近い筋肉を鍛えることはもちろん、座った状態で背骨を支える足腰の筋力も重要です。
さらに、深く呼吸するためには、肩に無駄な緊張が無く、胸が開いて、横隔膜をはじめとする呼吸筋がしなやかに動く状態でなければなりません。

伝統的なヨガを学ぶステップからすると、そうした瞑想できる身体を作るために、現代のような、いろいろなポーズを練習するヨガが編み出されたのです。
ヨガで身体を使うのは、長時間の瞑想に耐えられる身体、そして心を作るという目的があったのです。


今の私たちの生活は、決して修行ではありませんから、そこまでやる必要もないかと思います。
ただ、姿勢を真っ直ぐに保つことや、足腰の筋力を養うこと、深い呼吸が出来るようになることは、日々の生活を健やかに過ごすためにも、年齢を重ねても自分で歩くことができるためにも、ぜひ取り組んでいただいて損はないはずです。

なので、繰り返しになりますが、これからヨガを学ぶ方には、何よりも姿勢を保つために必要な、基本となる足腰の力を養うこと、つまり立位のポーズから練習を始めることをおすすめします。
「立つ」という、人間にとって最初の基本の姿勢がしっかり出来ていると、その後、難しいポーズにもスムーズにチャレンジしていくことが出来ます。
逆に、基本がちゃんと出来ていない状態で、闇雲に難しいポーズにチャレンジしても、うまくいかないどころか、思わぬ怪我をする原因にもなります。
ですので、ヨガクラスに出ること自体が大きなチャレンジになるかとは思いますが、ぜひ、立位のポーズから始めてみてはいかがでしょうか。

kazenone

kazenone

ヨガインストラクター・臨床心理士。 不器用な自分を認めて、ただシンプルに生きるのが信条。 ヨガの学びを通して、身体と心のつながりを実感する毎日。

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